水抜きについて

水が溜まる・水抜きって

「水が溜まる」「水抜き」という話を聞かれて質問される方が多くいらっしゃいます。まず前提として、正しい技術で脂肪吸引を行う場合、水抜きが必要となる状態にはなりにくいのです。水が溜まる主な原因としては、「技術不足による取りムラ」「雑な吸引によるダメージ」があげられます。技術不足による取りムラでは、術後に圧迫を行ってもそこに隙間ができるので、その結果水が溜まる原因となります。水が溜まることはデメリット以外の何物でもなく、感染症へ移行したり、凸凹の原因にもつながります。『多くの脂肪を吸引する』だけでなく水が溜まらないように吸引することは非常に重要なことです。

また通常の場合、圧迫や時間経過に伴い、徐々に麻酔液や浸出液(血液・リンパ液)は吸収されていきますが、雑な吸引により血管やリンパ管などが必要以上に傷ついてしまうと、吸収される量を超えた浸出液が溜まり、水抜きを行わなければならなくなります。一度の水抜きで済む場合もあれば、何度も通って行われる場合もあり、状態により変わってきます。

水抜きのリスクを避けるには?

超音波や水流による機械を使用し、組織へのダメージを抑えることも、水抜きのリスクを回避する手段の一つですが、なによりも医師の技術が重要です。いくら良い機械を使用したとしても、技術者の経験が浅かったり、不足していたりすると、取りムラや組織へのダメージにより水が溜まる原因となります。

しかし、水が溜まることを恐れて吸引量が少ないのでは意味がありません。脂肪をできるだけ除去しながらも、体への負担を抑えられる方法をとることや、技術や経験、カウンセリングの丁寧な医師を見極め選ぶことで、水抜きのリスクを遠ざけることが出来ます。

◯ 水が溜まらないように

当院ではシリンジ法での施術を行っておりますが、シリンジ法はどちらかと言えば、吸引機の手術に比べ、組織へのダメージも少なく、細かい調整も可能な施術方法です。しかし、LFDのみを吸引する場合、技術があればシリンジ法のみでも十分可能ですが、シリンジのみで浅い層まで脂肪を削り取ると「取りムラ」や「リンパ瘻」が起こり、術後の水の貯蓄に繋がってしまうと考えています。浅い層の吸引、言い換えれば大量の脂肪の吸引を行う場合は、ベイザー脂肪吸引やウォータージェット法の使用が適しており、ベイザー波やウォータージェットを使うことで、浅い層への組織や血管へのダメージを少なく抑えることができます。

当院のベイザー脂肪吸引では、ベイザーとシリンジ法で行います。ベイザーが得意とする血管などの組織が入り組んだ浅い層の脂肪、シリンジを用いた深い層へのアプローチでLFDを除去し、浅い脂肪層の大量除去・細かな調整をしていきます。要所により使い分けることにより、水が溜まるといった事態を回避しています。